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10. ぐっどばい [詩/『半月と硝子のブイ』]

 
「ぐっどばい」

満潮の夜に
気水域の魚達が上流に向い
一斉に泳ぎ出すその時
君は何を見るだろう

梅雨の晴れ間に
羽蟻の一団が次の国に向い
一斉に飛び立つその時
君は何を見るだろう

晩秋の渓谷に
木々の色葉が水面に向い
一斉に舞い散るその時
君は何を見るだろう

大切にしたくても
去りゆく
繰り返す為に
去りゆく

どんなに想っていても
離れゆく
再び出逢う為に
離れゆく

どうにも留める術は無く
合わせた掌から皆こぼれ落ち
残されるは
君ひとり

ただ
見送るしか出来ない
ただ黙って
見送るしか出来ない






2005年作。

旅先で又は庭先でー
魚も蟻も色葉も実際に間近に出会い、
その時ワタシは立ち尽くしていた。
一斉に蠢く或は湧き立つ出来事に
気づいた当初は圧倒されー
直にどれもこれも知らず知らず涙が溢れてくる様な...
そう、言うなれば命たぎる光景だった。


さてー話変わるが「グッドバイ」なら太宰治の絶筆か。読んではいないけれど。 

「ロング・グッドバイ」なら映画で観たことがある。渋さに満ちた映画だったな。原作はやはり読んでいない。
 
「さようならアメリカ、さようならニッポン」ならはっぴいえんど。
昔、高円寺に暮らしていた頃パラレルハウスでLPをレンタルしてカセットにダビングした。そうゆう時代だった。
はっぴいえんどは今は別の意味で脚光を浴びちゃってて...なんだか悲しくなる。
色んな意見があるだろうけど、何にしたって最低限の自己管理は必須だにゃ...

「さよならにっぽん」は大友克弘だ。そう言えば、誰かに貸したまま帰って来ない漫画本の一冊だ。
そう云えば、関係ないけど、おいK.M.君。いいかげんにつげ義春の「必殺するめ固め」返せよ!

「ハロー・グッドバイ」はビートルズ。「マジカル・ミステリー・ツアー」収録曲だ。
レノン&マッカートニー共作とされているが実際はポールの作詞作曲だろうな。絶対そうだろうな。リズムといいメロディーといい、いかにもだ。
一体全体この曲の、歌詞に隠された意味はあるんだろうか?それとも、この文句を唄う悦びを追体験すべく曲なのだろうか?
ああ、ワタシは天才に対しなんて発言をしているのか〜!

昔バンド三昧の頃、ビートルズ談義ではよくポール信奉者に怒られたもんだ。
仕方がないじゃん!中1からジョンのポスターを部屋に貼ってきたんだからさ。ポールなんて貼った事も無いもん!
でもいいんだ。別にポールに会いたいとは未だに思わないんだから。
新曲が出たとしてもラジオから流れてくるのを1−2回聴ければそれでいい。奇麗なメロディーを作るとは思うけれど、ワタシは飽きてしまうんだから。
"Let It Be"だけは別だけど。あの曲だけは別だよ。うん。
アッ、やっぱり尊敬してま〜す!
(あとレニー・ゼルビィガーとの仲は単純に羨ましいけれどね。いいな〜あのボテッとした唇と、肉感的なボディ... 思ったより小柄なのもタイプ! .....あ、失礼..!)

ジョンには未だに会いたいと思う。生の歌声が聴けたらどんなにか幸せだろう。
もし彼が生きていたとして新しいアルバムを出したらば、試聴せずに買うだろう。
けれど亡くなってしまった今更、記念館なんかには行かないけど。
彼の残してくれたソロ・アルバムの音と声で充分だ。ワタシは彼の少し嗄れた声が好きだ。耳に入って来たとたんに未だにゾクッとする。カントリーやブルースとは違った意味で泥臭いギターも好きだ。シンプルなコード展開の曲の美しさも好きだ。そして何より内省的な中から発する普遍的な、そしてどこかエロティックな歌詞が大好きだ。10代のワタシをこれぞロックだと洗脳してくれた。
邦人ミュージシャンでは清志郎と友部正人と甲本ヒロトに似た感覚を覚えるかな〜(これ分かる人には分かる感覚かも?)


そう...ワタシは中学生の頃から、甘ったるい曲を作ってしまうポールの才能がどうも好きになれなくて、
彼がどの時期に使用している楽器も好きになれなくて、
「ハピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」を作ってしまうジョンの魂(ソウル)に夢中だったし、彼がどの時期に使用している楽器にも憧れたものだ。
彼がダコタ・アパートでマーク・チャップマンに撃たれた夜、ニュースで訃報を知ったワタシは一睡も出来なかった。その後数日は食事も喉を通らなかった。授業も、好きだった女の子も、隠してあったビニ本(その世代なんだなワタシ...)も、何もかもが悲しく、虚しく思えた。
確かチャップマンの僅かな所持品の中の一つが、サリンジャーの「ライ麦畑で捕まえて」のペイパーバックだったと、新聞記事で読んだ事を覚えている。ワタシはそこから「ライ麦畑〜」を手にした様な人間だった。

中学校の卒業文集にはー“この3年間で一番幸せだった事はビートルズとの出会いでした。そして一番悲しかった事はジョンの死です”と書いたのだった。修学旅行の事も文化祭や体育祭の事も何も書かなかった。
無計画な家出に失敗した事も、失恋した事も書かなかった。(書くわけないか!?)
ビートルズに出会う前に聴いていた、千春や拓郎やさだまさしの事なんか当然書かなかった。(拓郎のことはいつかブログに書くかもね。)
ビートルズを聴き出してからは、何故だかもう頭の中はジョン一色って感じで、ジョン=ROCK、ジョン=リビング・バイブルだった。
そして自分の中で “ROCKかどうか” が、物事を判断する基準となっていった。

みうらじゅんの漫画「アイデン&ティティ」には痛い程に感動するけれど、ワタシの場合はディランではなくジョンだった。
だって “ディランは神様” だってみんな言うじゃないか。
ジョンはヒトさ。まぎれもなく泥臭くて、乳臭いニンゲン。
とっくに星になったけれど、彼はヒトだったさ。
だらしなく、なさけなく、激しく、哀しく、優しく...
彼は、いかにもニンゲンなんだ。

今この部屋のスタンドに立てかけてある2本のギターはセミアコで、その内一本はナチュラルカラーのエピフォン・シェラトンだ。
音は異なるけれど、気分はアップル社屋上での “Don't Let Me Down” を唄うジョンのエピフォン・カジノだ。(通じる御方はここでニヤけてくれ。)
あんな曲が作れたら、あんな絵が描けたら本望だよな...最高だ。

話変わり過ぎたかしらん...?


ぐっどばい。ストロベリーフィールド.jpg


(本日のエンドレス・ミュージック/ジョン・レノン「GOD」)

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