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64. タコのテンプラ [日々雑感『本日もまた混沌と』]

昨日は “心静か” とか書いちゃって...
何気取ってんだ!って感じだ。
だから今日はサイコに書こうかなと思ってみた。
けれど、気が付けばアッと云う間にホントの年の瀬が訪れちゃってて困った。
なんなんだ、この時間の早さは⁈
ま、サイコは止めよう。止めた方がいいサイコは。止めようね?
なんつったて大晦日だもんな。あんまり実感無いな...
淡々と行こう。淡々と。
つげ義春の劇画の1コマに「敏速に、敏速に」ってふき出しがあったな...何だっけ?『西部田村事件』だっけ?
よく内輪で真似したっけな。
何かと云えば「敏速に、敏速に」って口に出してみるんだ。出してみるものの、ちっとも急がない。むしろ丁寧にやるんだ。目の前の問題に、より淡々と向かう。わざと静かな感じで。
唯それだけのこと。そう呟いてみるだけで、少し楽しくなったもんだ。魔法のコトバの1つだな。
...そんなもんだ。

       *

今日は午后から風が強まった。
窓拭きしたぜ。台所も掃除したぜっ。結構ピカピカになって嬉しい。右腕が疲れた。
もう直ぐ手術後は当分の間、この右手が不自由になるかと思えば不安が襲ってくる。
「考えない様に、考えない様に」だ。
50リットルの洗濯機を2回まわした。
洗濯物を溜め込んだ訳じゃない。今日という日が、「洗濯機をぶんぶん回したい」そんな気分にさせたのだ。
今、干したネルシャツが物干竿に吊り下げられ、ぶわんぶわんと揺れている。
何故だか、子供の頃に空高くあげた凧を思い出した。

       *

僕らの世代はゲイラカイトなる凧が流行った。よく自分で作ったりもした。
要領を覚えたら凧作りは簡単だ。左右のバランスと(尻尾というか足というか)垂れる部分の調節、あとは幹糸までの支持糸(正確な名称は知らないなあ)の調節だ。
本体は(昔は許可されていた)黒や水色の大きなビニールゴミ袋と竹ヒゴで作るのだ。

ビニール袋は金物屋『大用商店』、竹ヒゴは文房具と駄菓子と新鮮卵を売っている『たまごちゃん』で買っていた。
『たまごちゃん』の正式店名は知らない。大人も子供もそう呼んでいたから。
校長先生も朝礼の台の上から「校章をなくした人はたまごちゃんで買いなさい。」と言われていた。
ゴミ袋&学校の直ぐ側のーガラガラって木製のガラス戸を引いて開ける様なー何でも売ってる商店。両方とも今は殆ど見かけなくなった。
こんなところにも時代の変化が映し出される。
ちゃんと良い方へ向かっているのか...

しかし思えば凧揚げすらあまり見かけない。
野っ原が無いもんな。凧揚げには風の都合で斜景地がいいんだけどね。
見かけるとしたらば、河川敷くらいか?大きな公園か?
凧揚げなんかに夢中になる子供も少ないか?
親子で正月に一回、つまり一年に一回揚げるくらいか?
そんな家族すら少数派か?
まして凧作る子供なんて、極少数派か? え、居ないのか?
何でも買ってくるのか?新製品を!流行の、最新の型を!(って、怒ってんのか⁉...全くウルサいオヤジだね。そうさっ。)

上手く上昇気流に乗せて、糸巻きを追加する時のあの高揚感。読んで字の如く、まさしく高揚感!
凧糸を一直線に、奇麗にそして強く結ぶテクニックをマスターした時の何とも言えない満足感。得意満面だったろう。自分が何ステップも大きくなった気がしたな。
ぶんぶんと引っ張られる凧糸(紐類)を追加するのは凄く難しいんだ。
きっと今となっては、一発では出来ないかも知れないな。

空高くどんどん上がって、小さく小さくなってゆく凧を、腕が痛くなりながらも操る時の気持ち。
思わず糸が切れてしまった時の焦り。
その後の凧の行方を見守り、追っ駆けてゆく時の何とも言えない気持ち。修理不可能な程は壊れていません様に!って祈りで一杯だった。
 “糸が切れる” という表現があるけど、あれ...割りかし低空(近く)で切れた場合は自分の手元にブチッと感触が伝わるけど、上空(遠く)で気流に乗ってて切れた際は、突然フッと手元が軽くなるんだなぁ。気の抜ける感じがするんだ。
それは釣りの際にも感じた。渓流の深い滝壺と瀬での違いもそうだし、磯での遠投や足下のドン深と上層の違いもそうだし。
詳しくは書かないけれど、つまりは “延ばした糸が上でも下でもおんなじ” って経験だ。
その理論を力学的にか物理的にかは説明出来るんだろうけど、そんな事はワタシにゃどうでもいいのさ。

      *

赤い糸や青い糸。黒い糸や白い糸。
サイケな糸や麻の糸。お蚕さんの糸や蜘蛛の糸。
意識次第で、透明な糸も色を帯びて見えたりする。

出逢った人。別れた人。消えた人。
忘れたくない言葉。忘れたい言葉。
好きな曲のフレーズや映画のシーン。様々な絵の具の匂いや筆跡。
飼っていた猫や犬。旅の途中の景色や出来事。
乗っていた車や、住んだ家や土地。そこで感じた風や聴いた音。
絶妙な味のあずきや、磯の香り高い心太や、釣って食べたサカナ達...

自分が地上に生きている間は、
きっと空高くいつも揺れているんだろうな...


         *


追記/そういえばー “凧揚げ” って “揚げ” って書くんだねえ〜
自分じゃ滅多に書かないコトバだから、キー打って勝手に変換されてアラ?と思ったよ。
空高く “上げる” んじゃなくて、“揚げ” ちゃうのかよ〜って思わなくもないけれど。
正月らしく “蛸”を揚げるなら解るけど...
ん?蛸は揚げたりしないかな? 第一、俺そんなの食べた事ないかな?最近は蛸自体食べてないなあ...

凧揚げ・・・そうだな...きっとカミサマが、上〜の方から凧を揚げてるんだろうヨ。
ってことは、“我等の居る地上=天ぷら鍋の底” ってことか⁈

或る意味言えてるかも知れないね.....


さて、これから年賀状にかかろうと思う。(遅っ!)
絵を描いてまともに向かうのは3年振りか。物心ついて賀状を始めてから、初めて2回の正月をサボった。もう別にいいか...と思った。要はやる気が起きなかった。DVDばかり観てた。この時期はきっと閉ざしてた。
今年は少し開き直れてるのかも知れない。わからないけど。

では皆様にとって、そしてワタシにとって(書くかなあ〜⁈ んでも、本音そうでしょが⁉)
来る年が良い年となります様にー




     (只今の脳内ミュージック/D. SYLVIAN & R. FRIPP "God's Monkey" )



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