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65. ゼロ [日々雑感『本日もまた混沌と』]

明けました。放っておいても明けました。
おめでとうございます。

さすが真冬。晴れが続く。空気が乾燥している。
陽差しがありがたいけど、夜に冷え込むね。これも陰陽のバランスだね。
東京の冬は独特な寒さだよ。
落ち葉を燃やす匂いが恋しいな...

今日も少し掃除してしまいましたよ。普段全然してない個所をね。
でも元旦からこうゆうのなんて云うんだっけ?貧乏症?
仕方無いね。そうだし。
同じ姿勢での賀状書きにも疲れてしまったよ。
出遅れたんだから今更そう急ぐ事無いか...等といつもの言い訳を用意しよう。
第一、腰が痛いじゃないか。下からヤケに冷えが来るぞ。
この部屋だけか?否、満月の翌日は特に冷え込むのだな。
夕べはイヌバシリから月見で一服したさ。空気が澄んでてお月さんもよく見える。
都会じゃなきゃもっとよく見えるんだろうなぁ。
まあ、今見れるものをよく見ておこう。それしかないんだ。
そうだ。こんな日は風呂でゆっくり温まろう。それが何よりいい。
湯船に浸かれば思う筈さ。良かった、この文化の国に生まれてーと。

「風呂が沸くまで何か書こう」...要はそう思ったんだった。
で、浮かんだのが二つの詩。一つはこの国の見知っている人の歌詞。
でもそれは(ちと照れると云うか恥ずかしいと云うかオコガマシイ気もしないでもないから)矢張り辞めよ。
だからってお正月らしい詩なんかではないんだけどね。なんか浮かんだからさ。この詩のコトバたちがさ。
だから書き写してみようと思うんだな。
新年を迎えて、正月に習字とか書くこと...アレ何と云うんだっけ?
 “筆下ろし” じゃなくて(大笑)、一筆書き(しかめっ面笑)じゃなくて〜
うう.....全然思い出せないのがナサケナイぜ。
ま、パソコン写経ってことにしよう。みたいなもんだよ。きっと。
ちと違うかな? ま、いいか。



ゼロの詩   ヴィスワヴァ・シンボルスカ


むかし むかし 或る国でゼロというものが考案された
それを思いついた男というのは たぶん黒い星のもとで生まれたのに違いない
日付けと日付けの間に生まれたので 彼の誕生日などだれにも証明することなど出来ない
自身ゼロ同然の身の上で 確かな名前とてなく
薔薇のような茨のような人生について いかなる金言も残さず
また或る日摘み取った薔薇の花束に ゼロを書き添えて結び付けたという伝説さえ残すこともなく

だから或る日 死を予感し
百の瘤もつ駱駝の背に跨がり 砂漠めがけて旅立った
勝利のシンボルであるハルムの木陰でまどろみ
そして 砂粒の一粒一粒が数え上げられた時に目覚めた

一体人間とはどんな生き物であるのか
事実と感覚との間には 我々の気付くことの出来ない裂け目がある
それぞれが しぶとく運命を生きている
たとえ私がなんらかの形を与えようとしても すべては拒否されてしまう

静寂が声紋さえ残すことなく拡がっていった

不在が地平線の外観を呈してきた

ゼロは他の誰でもなく彼によって記された


詩集『塩』1962年 より (つかだみちこ訳)


 “ゼロ” の達観姿勢にはとても及ばないけれど、
いつもズームは自在に、素直ではありたい。し、あって欲しい。
でも “いつも” ってムズカシイ。
人生は死に向かっての大いなる時間潰しなんだろう。
だからこそ一期一会が身に沁みる。それは衆生同士であっても対何であっても。
タイム イズ ゴーイング。
 & タイム ウェイツ フォー ノー ワン。
耳の奥でチャーリー翁の刻むリムショットが聴こえやしないか。
やっぱり何も約束出来ないなあ...


風呂入ろぉっと。





                   (只今の脳内ミュージック/NATALIE MERCHANT "Motherland" )


銀のオルファ.jpg



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