70. 電柱でござる [日々雑感『本日もまた混沌と』]
帰り道、澄んだ夜空の下、
糸の様な三日月を眺めながら、狭い歩道を歩いていたら、
危うく電柱にぶつかりそうになり、
寸前で「おっとぉ〜!!」とかわしたらば、
後ろから飛ばして来た自転車と接触しかけ、
こっちはとっさに「スイマセンっ」と口にしたんだけど、
結局また逆に飛び除けた際に左肘を電柱にガツンっ!とぶつけてしまい、
(わかるでしょ?)例のグワ〜ンっとしびれるタマらん痛みに「いででで...」とその場に硬直してしまった訳で、
一方、イヤホーンでシャカシャカした音楽を聴きながら片手をダウンジャケットに突っ込んだまま難なく通過した兄ちゃんは、
多少ハンドルさばきがふらつきはしたものの、知らんぷりぷりの素通りで、
それはマぁ〜こちらの左肘のグワ〜ンっと響く痛みとか?何も気が付かなかったにしてもだ、
夜の歩道をライトも灯さずによ、(そりゃワタシだって経験あるんだけどね...)
ベルとか鈴とかプハプハッと成らすアレ(なんていうのかな?)とか声とかで何の合図もしてくれない兄ちゃんも兄ちゃんでよ、
法律がどうこうとか、マナーがどうこうとか、そんな理屈じゃなくてよぉ〜
月を眺めながら上を見て歩いていたワタシもいけないんだけどよ、
それにしてもだぜ?
薄暗い狭い歩道をそんな態でチャリンコ飛ばしてさ、
そうやっていっつもイヤホーンして内に籠ってガードしてなくてもさ、
昼の道にも、夜の道にも、オマエの道の色んな所にさぁ、
面白いものや、素敵なものは、ふと見つかるかも知れない訳でさ、
こうゆう思わぬ衝突や接触も事の次第では(映画なんかじゃ)恋とか悪巧みのパートナーとかに発展しちゃうスゴい出逢いだったりするかも知れない訳でさ〜
マぁ「それは映画や小説の中の絵空事だよっ」って片付けてしまえばソレ迄の事なんだけどよ...
オイラも美しくも正しくも生きてはいない極めて中途半端なオトコだからよ、
人の親を経験してすっかり柔らかくなる前のオイラだったらよ、
自分を棚に上げて怒鳴り呼び止めて、態度が悪けりゃ手も足も出ちゃっていたかも知れないんだけれどよ、
いやはや既に物静かで怠慢な中年に落ち着いてしまった上によ、
丁度この黄金の右手に怪我を抱えているナサケねえ身ではよ、
そうさな〜何と申し上げたらよいのかのぉ... (ぐびぐび...ごくっ)(注/今夜は『いいちこ』お湯割りだね)
結局オイラは唯「さぶっ〜!」と上着の首辺りを直しながら立ち尽くすばかりでよ、
つまりは肘のしびれも治まれば又とぼとぼとよ、
同じ歩道を歩き出して同じ寒い部屋に帰るしかない訳でよ、
ふと見上げたらば夜空によ、
澄んだ冬の夜空に糸の様な三日月が居てよ、
黙ってソコに居てよ、
地上のオイラ達の事の始終を見下ろしているってえ訳でよ......
拝啓 ◯◯◯ちゃん、そん時ボクはこう思ったんです。
「せつねえのぉ・・・」
(只今の脳内ミュージック/VAN MORRISON "It's All Over Now, Baby Blue" )
2010-01-18 23:04
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